噛み合わせの悪さが、顎関節を痛める 

顎関節は関節に力がかからない3級テコの原理で動いていますから、基本的には壊れにくい関節です。しかし、作用点である噛み合わせ、特に奥歯の噛み合わせが高くなったり低くなったりすると、顎関節に過度な負担がかかります。
噛み合わせのことを深く考慮しない治療などによって奥歯が高くなると、歯が強く当たるようになり、そこを支点として3級テコが1級テコになってしまいます。

そうすると、噛むたびに奥歯や顎関節に強い力がかかって関節に炎症が起こり、場合によっては顎関節が変形してしまうこともあります。
また、顎関節は左右一対ですから、強く当たる歯を避けるようにして噛む癖がつきますので、高い方とは反対側の関節が痛むこともあります。
逆に奥歯が低すぎても問題が起こります。

奥歯を抜歯したままにしていたりして噛み合わせが低くなると作用点が弱くなるため、支点である顎関節に強い力(後方に引っ張る力)がかかり、下顎頭が後方に押し込まれてしまうのです。そうすると、関節を保護している関節円板が前方に移動してしまいます。顎がカクカクなったり、口を大きく開けることが困難になったりするのはこのためです。さらに低い方では噛みにくいため、偏った噛み癖がついてしまいます。そのために顎が歪んでしまうのです。

このような場合、一般的にはスプリント療法というマウスピースのような装置を一次的に入れて奥歯を高くし、関節円板を元の位置に戻して症状を和らげる治療がとられています。しかし、一時的にに治ったとしても装置を外してしまうと元に戻ってしまうのが欠点です。現在、アメリカではこのスプリント療法は、法的に禁止されつつあります。