不正な噛みあわせが与える影響
歯を治療したために奥歯が不正な噛み合わせになったとします。咀嚼リズムが徐々に狂ってきますが、そのうちに慣れてしまいます。しかし、歯や顎関節、 骨には相当な負担がかか り、 やがて顎や関節、 関節円板がズレてきます。 最初は小さな違和感から始まった症状も、 毎日問題のあるまま生活しているとズレは大きくなり、 顎の骨が変形してしまうこともあり ます (歯の矯正は歯に 一 定の力をかけると骨が変形するという生理学的反応を利用して歯を 動かします)。 顎のズレが大きくなると、 元に戻すのは困難です。 また、 顎関節症はなかなか症状に表れ ませんから、 早期発見、 早期治療が重要で、 不自然な力がかからないように噛み合わせを調 整し、 負担を軽減するしか治療法がありません。
奥歯は見えないからと、 抜歯後そのままに放置している方が多いようですが、 大変なこと になりかねないのです。
前歯の歯並びは、 一 目見ればすぐにわかります。 「恥ずかしいから治そう」 ということに なるでしよう。 しかし、 奥歯の噛み合わせが悪くて顎関節症になっていることは、 すぐには わかりません。 関節からカクカク音が鳴ったり、 痛くなったり、 口が開きにくくなって初め て気づくのです。
また、 顎の自覚症状の変わりに片頭痛がしたり、 耳鳴りがしたり、 めまいがしてふらふら することもあります。 一般的にはメニ ェル症候群などと呼ばれる難治性の慢性疾患です。 さ らに、 首や肩が痛くなり、 それに伴って腰まで痛くなることもありますが、 このようなわけ のわからない不治の病の原因が噛み合わせにあることには、 だれも気づかないのです。
合わない入れ歯を入れている人は、 必ず顎関節の動きゃ噛み合わせに異常があります。 そ のような方は、 なんとなく体調が悪いとい ったことを訴えます。 脳外科に行っても原因が判 明できずそのまま放置していたり、 精神安定剤を飲んでいたりします。
頭が痛くなったり、 体調が悪くなったりすることは、 実は身体の不都合を訴えるサインで もあるのです。 ところが、 一 般の歯科医院では噛み合わせを深く追求しませんし、 担当する 治療家も歯が原因でこのようなことが起こ っているとは思いもしませんから、 わからないま ま放置されてしまうのです。